事後レポート
事後レポート用(担当課向け)
同じデータの説明用ビルド。small multiples と二層注釈(値の説明+図の読み方)で、戻り読みできる形にする。
Urban Institute のスタイルガイドが明文化している「媒体ごとに文字サイズとラベル戦略を切り替える」実務パターン、および Duarte の slidedoc(投影用デックをそのまま配布資料にしない)に従って、投影用とは別ビルドにしてある。Segel & Heer のジャンルでいえば投影用が interactive slideshow、こちらが annotated chart + magazine style。
1. 何を数えたか
結論:市民判定人24名・外部委員4名の紙の評価シート、およびオンライン傍聴者の評価シート。判定人と外部委員のみが決定権限を持ち、傍聴者の分布は決定に算入しない。
理由:紙の特記事項・欄外メモとオンラインの自由回答を、LLM で「1主張・1理由・1提案」の意味単位 204 個に分割し、事業ごとに 6 個の論点ラベルを付与した。論点ラベルが付いているのは紙由来の 204 単位のみで、オンライン傍聴者の記述は原文のまま扱っている。
母数:事業ごとに未記入があるため、割合の分母は事業ごとに異なる。本文では常に実数を先に書く。
2. 結論の分布(事業横断)
同じ横幅・同じ目盛で並べた small multiples。太い縦線は「現行通り」の左端=変更を求めた人と、現状維持以上でよいとした人の境。この線の位置だけを5事業で比べれば、どの事業がどれだけ変更を求められたかが読める。
この表の限界。n は事業あたり 25〜26。区間はどれも 20 ポイント以上あり、事業間の順位を断定できるほどの精度はない。「花火とデジタル通貨は変更要求が多い」までは言えるが、その2つのどちらが多いかは言えない。
3. 結論を跨いで共有されている問題認識
各事業について、「再構築」「要改善」「現行・拡充」の3陣営すべてから記述が出た論点を上から並べた。担当課が次に出すべき説明資料の優先順位はここに出る——結論が違う人が同じことを問題として書いているなら、その点の説明が足りていないか、説明しても伝わっていない。
OTACO(地域通貨)
共有されている認識:「キャンペーン(ポイント上乗せ)のときしか使っていない」という利用実感は、結論の違う判定人の間でほぼ一致している。
費用対効果・行政の役割
再構築 3/4名 ・ 要改善 5/12名 ・ 現行・拡充 2/6名
判定人01 発展的に再構築
行政でやるべきことか。集めた税金をコストをかけて再配布するならば、初めから集める税金を抑制してほしい。特にメリットを得る人は一部。間接メリットも薄く感じる。
判定人06 要改善
システム3350万。委託先の評価・選定・再評価は?交付金なくなったらどうすんの?市の一般財源で?
判定人15 現行通り
事業はけいぞくしながら、黒字化を目ざしてほしい。
キャンペーン・交付金依存
再構築 1/4名 ・ 要改善 6/12名 ・ 現行・拡充 4/6名
判定人01 発展的に再構築
キャンペーンポイントのためにしか使われないのでは。オタコが無くなったら現金に戻る人もいるのでは。
外部委員C 要改善
国の交付金に頼らない持続可能なシステムづくり。
判定人16 現行通り
国からの交付金がなければ続けられないのか?
刀水橋花火大会
共有されている認識:「行きにくい(駐車場・シャトル・場所がわからない)から行かない」という体験は、終了派も拡充派も同じように語っている。
花火という手段・ワイルドナイツ
再構築 2/6名 ・ 要改善 4/14名 ・ 現行・拡充 2/3名
外部委員D 発展的に再構築
伝統的な祭・地域の行事の応援(磨き上げ)の方が市民プライドに寄与するのではないか。季節ごとの噴水ライトアップなど通年の手法の方が効果的か。
判定人12 要改善
ワイルドナイツのとりくみで、ファンは多いと思います。有料席は。
判定人18 拡充
地域経済の発展に寄与するような取組みと連動してると良いと思う。
目的の曖昧さ(インナーかアウターか)
再構築 3/6名 ・ 要改善 3/14名 ・ 現行・拡充 1/3名
外部委員D 発展的に再構築
成果目標が「感動」と設定しつつ、市民の観覧が限定的なのは寂しい。広域でやるなら市外からの呼びこみを本気にやってこそ。
外部委員B 要改善
事業の目標が花火を打ち上げること自体に留まっており、経済効果や住民の喜び・受けとめ方にまで視線が行っていない。目標と成果指標を再設定して頂きたい。
判定人10 拡充
そもそも花火大会のメリットは?税金を使っているのであれば、せっかく行くのならどう貢献できるか知りたい。
アクセス・駐車場・会場
再構築 1/6名 ・ 要改善 4/14名 ・ 現行・拡充 2/3名
判定人09 発展的に再構築
足利の花火には行くが、刀水橋には行ったことがない。交通の便が悪い。
判定人17 要改善
混雑や道路の渋滞を予想してしまい、行かないという選択になってしまっている。尾島・木崎・やぶづかなどにも駐車場をもうけて、そこからバスを出すとか。
判定人18 拡充
太田駅→シャトルバス。
1%まちづくり事業
共有されている認識:「申請の手間・書類の難しさが参加の壁になっている」という指摘は、拡充派・要改善派・再構築派に共通している。
制度設計・成果指標
再構築 1/1名 ・ 要改善 2/9名 ・ 現行・拡充 6/10名
外部委員C 発展的に再構築
行政の役割は補助金で行事を維持することではなく、地域の担い手とつながりを増やし、持続的に地域が自走できる状態をつくること。手段を見直すべき。地域づくり協議会の設置の検討を。
判定人06 要改善
成果指標の目標値199って具体的になに?成果発表のアンケートは参加者対象でしょ。そこでいい結果でも太田市全体の結果にはならない。
外部委員D 拡充
税収の1%枠には数億円の差。まち協の事務局支援や、50万円を超える規模の拡大なども検討してほしい。
若者・担い手の参加
再構築 1/1名 ・ 要改善 2/9名 ・ 現行・拡充 4/10名
外部委員C 発展的に再構築
区長負担。現状と「あるべき姿」とのカイリが止まらない。
外部委員A 要改善
年齢構成で考えるとどうしてもその年齢層にかたよってしまう。地域のルールと若者のコミュニケーションのとりかたが必要。
外部委員D 拡充
審査委員は無作為抽出にし若い人・女性に入ってもらう、Zoom参加可にする。
おうかがい市バス
必要性・対象者の拡大
再構築 0/0名 ・ 要改善 3/8名 ・ 現行・拡充 6/13名
外部委員D 要改善
対象者に妊産婦・未就学児も拡大など、市民の希望に応える形で。
外部委員A 拡充
デマンド型の公共交通は今後も必要。高齢者の事故を考えた場合、必要なことである。
料金・コスト・車両効率
再構築 0/0名 ・ 要改善 4/8名 ・ 現行・拡充 2/13名
外部委員D 要改善
適正な利用料金の検討、活用可能な国庫補助金の検討をお願いしたい。
外部委員A 拡充
財源が一般財源しかないため、国や県へ補助を求めるべき。
市営無料バス
共有されている認識:「無料のままでは続かない/料金をとってもよい」という認識は、発展的に再構築から拡充まで全ての結論の人に共有されている。一方で「福祉事業だから現行通り」という声もある。
有料化の是非
再構築 1/2名 ・ 要改善 5/10名 ・ 現行・拡充 3/10名
外部委員A 発展的に再構築
無償では事業の継続性に問題がある。
外部委員B 要改善
誰でも予約なく手軽に無料で乗れる便利さが魅力。ただ、サービスを継続する上では必ずしも無料でなくても。
判定人21 現行通り
スクールバスの空き時間運用という営業目的を伴わない福祉事業のため、現行通りとする他はない。
おうかがい市バスとの統合・公共交通全体
再構築 2/2名 ・ 要改善 2/10名 ・ 現行・拡充 3/10名
外部委員A 発展的に再構築
自治体ライドシェア(公共ライドシェア)の考え方をとりいれていくことが必要。
外部委員C 要改善
2事業については太田市全体の移動支援としての組合せの最適化を図って欲しい。
判定人20 現行通り
民間業者を圧迫しないように配慮したい。
運転手・持続可能性
再構築 1/2名 ・ 要改善 2/10名 ・ 現行・拡充 1/10名
外部委員A 発展的に再構築
大型2種免許取得者の減少にともなう人件費高騰があり、どのように経費負担ができるのか不安定である。
外部委員B 要改善
スクールバスの空き時間を活用(今あるリソースの活用)。運転者さんが無理なく安全に運行して下さることを。
判定人06 拡充
市の職員としてバスの運転手さんを雇用できないの?お給料割高にして、バスリースとかにして。
4. 行政として次に確認すべきこと
5. この分析でしていないこと
・意味単位への分割と論点ラベルは LLM が付けた。人手による二重コーディングと κ 係数の算出はしていない。
・書かなかったことを「そう思っていない」とは扱っていない。紙の欄が狭い・時間が足りない・口頭で述べた、のいずれもありうる。
・オンライン傍聴者は自発的参加で、無作為抽出の判定人とは母集団が違う。両者の分布差を市民全体の傾向として読んではいけない。
・χ² 検定・順列検定の p 値は出していない。期待度数が 5 未満のセルが大半で、前提を満たさないため。
・匿名 ID は紙シートの整理番号であり、本レポートから個人を特定できないようにしてある。