additive decomposition
厳しさの二元分解(Wright map 風)
評価=全体平均+その人の厳しさ+その事業の厳しさ+残差。人の癖を引いた残差だけが「この事業に固有の判断」になる。
Rasch の item–person map(Wright map)と同じ発想を、順序5件法を等間隔スコア(現行通り=0、拡充=−1、要改善=+1…)に置いた二元加法モデルで実装した。IRT を当てはめるには 24×5 は小さすぎるので、対数オッズ推定ではなく交互最小二乗による中央値なし加法分解に留めている(人効果と事業効果を同一尺度に並べる、という Wright map の眼目だけを借りた)。「拡充」だけが増やす方向で軸が非対称なので、スコアは変更要求の強さであって満足度ではない。
人の癖のばらつき 0.50、事業のばらつき 0.49、残差 RMSE 0.92。——「誰が評価したか」と「どの事業か」がほぼ同じだけ効いており、それでも残差の方が大きい。つまり大半の判断は人の癖でも事業の性質でもなく、その人がその事業について考えたことで決まっている。
残差ヒートマップ
赤=その人の平常運転より厳しい判断、青=甘い判断。行がほぼ無色の人は「全部同じ結論を書いた人」ではなく「事業ごとの差がその人の癖と事業の難しさで説明しきれる人」。濃い赤/青のセルこそ、その人がその事業に固有の理由を持っている箇所で、自由記述を読みに行くべき場所になる。
この分解の狙い。生の結論行列のヒートマップだと「厳しい人の行が全部赤い」だけの絵になり、事業の話と人の話が混ざる。人効果を抜いて初めて「この人は普段甘いのに、この事業だけ強く変更を求めた」が見える。等間隔スコアの仮定は強いので、順位の断定ではなく読むべき自由記述を選ぶ索引として使う。