判断の道具の試作
本番の3事業に入っている試算枠は「条件を変えて結果を見る」ところまで来ている。 そこから担当課が改善案を比較して選ぶ道具へ進めるために、 足りていない4つ——案どうしの並置、判断が変わる閾値、未確認量を変数にすること、調べるコストの提示——を 1本ずつ別々の画面にして比べられるようにした。11本すべて、既存の描画系・ドラッグ入力・色の言語をそのまま使っている。
共通の設計上の約束11本すべてに適用
- 新しい数字を作らない。使うのは3事業の詳細ページ本文と数値一覧表にある値だけ(data.mjs)。
- 仮定は入力欄にする。未確認の量を注記で流さず、読者に置かせて計算に載せる。実額が出れば入力欄は消える。
- 変わらない文は反応領域に置かない。操作で動かない前提・確認事項は「操作しても変わりません」と書いた別の箱へ出す。
- 塗り=観測値、枠線=置いた仮定。本番と同じ約束を守る。
- この画面で決まらないことを必ず書く。金額に還元できない論点を、沈黙で消さない。
こどもプラッツ — 論点5「利用料・受益者負担・費用対効果」の周辺
- v01 立場を並べる(cas-types) 17:45を18:15にしたとき、新しく間に合うのは誰で、変わらないのは誰か。 1本のスライダーで抽象的な「あなた」を1人動かす → 終業時刻の違う4世帯を同時に並べる。
- v02 閾値を軸の上に引く 閉所時刻を何分動かせば、対象がひとつ増えるか。 「閉所を19分過ぎます」という文3行 → 間に合う境目そのものを軸に描く。説明がほぼ要らなくなる。
- v03 未確認を変数にする(損益分岐) 延長の追加費用がいくらまでなら、利用料の値上げで賄えるか。 「賄えるかは未確認です」と書いて終わる → その未確認額を読者に置かせて毎回計算する。利用者数は歳入から逆算。
長寿祝金 — 論点1「制度の継続か再構築か」と論点2「費用の予見可能性」
- v04 振り向けた先を空所にしない 祝金を減らして浮いた額は、別の支援なら何人に届くのか。 金額が別の棒へ移るだけ → 配分先の単価を置かせて到達人数へ翻訳する。単価変更と配分の併用も可能に。
- v05 前提はもうページの中にある 参考額と決算の差は何で、その差は年によって安定しているのか。 参考人口1点での試算 → 年齢別人口6年・75歳以上推計2050年まで・決算と予算5年をすべて使う。対応づけの置き方で答えが2倍変わることを見せる。
- v09 案Aと案Bを横に置く どちらの案が、誰にどれだけ違う影響を与えるか。 常に「基準 対 変更後」 → 2案を同時に保持して案間の差を直接出す。起案に並ぶのは現状と1案ではない。
OTACO — 論点1「費用対効果」と論点2「キャンペーン・交付金依存」
- v06 分母を選ぶ 「市民一人あたり」の分母を誰が何のために選んだのか。 分母221,950人を固定して純支出を割るだけ → 分母そのものを操作対象にする。同じ4,356万円が196円にも442円にもなる。
- v07 費目と財源に分ける 「交付金なくなったらどうすんの?市の一般財源で?」に、いくら、という形で答えられるか。 論点2の直後に置かれているのに交付金を一切扱っていない → 費目と財源に分け、会場の問いをそのまま計算に載せる。
- v08 指標を選ぶと結論が変わる 「上乗せのときしか使っていない」は、この2年で良くなったのか悪くなったのか。 13人が語った論点に道具が無い → 表にある3年分の販売額から3通りに測る。比率・水準・会員あたりで結論が逆を向く。
3事業横断 — 道具の置き方そのものを点検する
- v10 論点の被覆マップ 道具が当たっているのは、何人が語った論点か。当たっていないのはどこか。 数字には丁寧な注記があるが、論点の選択には注記が無い → 17論点すべてについて、道具の有無と数値化の可否を表にする。
- v11 「実施前に確認」を作業表へ いま足りないものは、すぐ出せるのか、取りに行くのか、決めるしかないのか。 3枠とも固定文字列で一度も変わらない → 反応領域の外へ出し、出どころ・担当・取得の重さを付ける。15件中9件は既存資料から出る。
実装
data.mjs … 使う数値の唯一の出どころ。出典つき。
model.mjs … 計算。すべて純関数でDOMを触らない。
kit.mjs … 画面の枠。描画は /kacho/_shared/charts.mjs、ドラッグは /kacho/_shared/exploration/drag-number.mjs をそのまま借りる。
検証: node playground/decision/check.mjs
本番の3事業ページは変更していない。ここは比較のための試作置き場で、採るものを選んでから本番へ入れる。