太田市 事業シート 2026年度・事業番号1

OTACO(太田市デジタル金券事業)を市民に伝える18の見せ方

市の事業シート2枚と内訳補足資料を素材に、同じ事業をいろいろな切り口で視覚化した表現カタログです。各セクションが独立した1案。良かったものを組み合わせて使う前提で作っています。

担当産業環境部 産業ミライ推進課 開始2023年度 委託先(株)トラストバンク 2026年度予算18.8億円
各セクション冒頭の「見せ方メモ」に、その表現が効く場面と限界を書いています。数値はすべて事業シート(概要説明書)と事業費内訳の補足資料から。金額の億円表記は千円単位の原数値からの換算です(端数処理あり)。
案 01思い切った一文要約

一文で言い切る

見せ方メモ: 最初の3秒で全体像を渡す案。正確さより通じやすさを優先し、細部は後続セクションに譲る。ページ冒頭に1つだけ置く。

OTACOは、紙の商品券をスマホとカードにした、太田市内のお店だけで使えるお金です。

  • 市民はチャージして買い物に使う。市も給付金やポイントをOTACOで配る
  • 使えるのは市内の加盟店954店だけ。だからお金が市外に流れない
  • 2023年度に紙の「太田市金券」から切り替わった
案 02基本情報カード

事実だけを並べる

見せ方メモ: 「正確に、すぐ引ける」ことを優先する参照用の案。読み物ではないので、ページ後半か折りたたみに置くのが向く。

予算事業名
太田市デジタル金券事業
事業開始年度
2023年度 (令和5年度)
担当
産業環境部 産業ミライ推進課 商業係
実施方法
直営+業務委託 (委託先: (株)トラストバンク)
対象
全市民及び事業者 221,950人(100%)
根拠法令等
太田市デジタル金券事業実施要綱
事務区分
自治事務 (市の判断で行う事業)
担当職員
2.0人 (2026年度。正職員1.5人+臨時0.5人)
案 03仕組みの図解

お金の流れを図にする

見せ方メモ: 「デジタル金券」という仕組み自体が伝わっていない読者向け。数字より先に構造を渡す。チャートの前段に置くと後続の内訳が読みやすくなる。

市民
チャージ購入 2.4億円
定額カード購入 1.0億円
太田市
行政ポイント 4.3億円
20%上乗せ・5,000円カード配布
国
交付金 14.1億円
(物価高騰・コロナ対応)
→
OTACO残高
スマホアプリまたはカード。有効期限は発行年度の翌年度2月末
→
市内の加盟店 954店
市外では使えない。市が加盟店に代金を精算(31.6億円 = 事業費の94%)

金額は2025年度(決算見込)。チャージは窓口・クレジットカード・セブン銀行ATM、カードは窓口・自動販売機で購入できる。

案 04数字ヒーロー

大きな数字を3つだけ

見せ方メモ: 規模(お金)・広がり(人)・受け皿(店)の3軸に絞る案。4つ以上並べると読まれなくなる。それぞれの深掘りは個別セクションへ誘導する。

総事業費(2025年度 決算見込)
33.7億円
2026年度予算は18.8億円に縮小
OTACO会員
98,650人
対象221,950人の44%。3年で1.8倍
市内の加盟店
954店
うちカードで払える店 561店
案 05円チャート

お金の使いみちを円で

見せ方メモ: この内訳は94%が1項目に集中しているため、円グラフは「ほぼ全部が市内のお店に渡る」という一点を伝える用途に限られる。小さい3項目は円では見えないので3分類に丸めた。精密な比較は案06の棒で。

2025年度 事業費 33.5億円(決算見込)の内訳。出典: 事業費内訳の補足資料。

案 06横棒グラフ

同じ使いみちを棒で

見せ方メモ: 案05と同じデータ。棒なら5項目すべてを丸めずに示せて、値ラベルで規模差(1,700倍)も正確に伝わる。極端に偏った内訳の標準解はこちら。

2025年度 事業費 33.5億円(決算見込)の内訳。「5,000円カード配布の経費」は全市民配布の配送・コールセンター・受取窓口など。

案 07100%積み上げ帯

誰が負担しているかを帯で

見せ方メモ: 「結局、税金なの?」に直接答える案。市の一般財源(=市税など)を注意色に固定し、年度をまたいで色を変えない。財源構成が年ごとに大きく入れ替わる事業なので2年並べると効く。

読み方の注意: OTACOには有効期限(発行年度の翌年度2月末)があり、年度をまたぐ繰越と失効が生じるため、単年度では総事業費と財源合計は一致しない(シート特記事項)。「OTACOの売上げ」は市民や事業者がチャージ等で支払ったお金。
案 08思い切った要約

負担を「一人あたり」に翻訳する

見せ方メモ: 事業規模(33億円)と市の実質負担(4千万円台)は2桁違う。この乖離こそが本事業の説明で最も誤解されやすい点なので、あえて1つの数字に翻訳して先に渡す。定義の脚注は必須。

市民一人あたり 約196円/年

2025年度の市の実質負担(純支出)は約4,356万円。事業規模33.5億円の大半は、市民自身のチャージ購入と国の交付金でまかなわれている。

純支出 = 国の交付金やOTACO売上などの特定財源を除いた太田市の支出(補足資料の定義)。2025年度の増加は主にシステム費用(約3,350万円)。一人あたりは対象者数221,950人で除した値。

案 09ワッフルチャート

会員の広がりを100マスで

見せ方メモ: 割合を面積で体感させる案。単一の割合には強いが、複数系列や推移には向かない。%表記より「10人に4人」という読み替えが添えやすいのが利点。

44%

対象の市民・事業者 221,950人のうち、OTACO会員は98,650人(2025年度)。
およそ10人に4人が会員になった計算。

案 10折れ線(スモールマルチプル)

伸びているものを折れ線で

見せ方メモ: 会員は3年で1.8倍に伸び、加盟店はほぼ横ばいでカード対応店だけ増えている。この対比は1枚に重ねず2枚に分ける(軸のスケールが違うため)。左は目標線として対象者数を置き「まだ半分」を見せる。

会員数の推移

加盟店数の推移

案 11ペア棒グラフ

配った額と使われた額

見せ方メモ: 「配りっぱなしになっていないか」への答え。発行と利用を並べると、2本の棒の差そのものが情報になる。差が急に開いた年(2025年度)には理由の注記を必ず添える。

利用率は2023年度 99%、2024年度 99%、2025年度 87%。有効期限は発行年度の翌年度2月末のため、2025年度発行分にはまだ使われる余地が残っている。
案 12縦棒(時系列)

年々いくらかかっているか

見せ方メモ: 推移の王道。確定した決算は塗り、これからの予算は枠線にして「性質の違う数字」を混ぜない。ピークの年には金額の内訳を注釈で直接書き込む。

2025年度が大きいのは、20%上乗せキャンペーン(14.3億円)と全市民への5,000円カード配布(11.5億円)が重なったため。2026年度予算はキャンペーンを縮小し、前年の約56%になった。
案 13体制の可視化

何人でやっているか

見せ方メモ: 33億円の事業を市職員2〜4人で回しているという規模感は、金額のグラフからは読み取れない。人件費は事業費と桁が違うので同じ軸に載せず、テキストで併記する。

人数は正職員+臨時職員等の合計(小数は兼務按分)。実務の多くは委託先の(株)トラストバンクが担う。人件費は総事業費の1%未満。

案 14タイムライン

経緯をたどる

見せ方メモ: 「なぜ今この形なのか」という文脈を渡す案。事業仕分けのように是非を議論する場では、単年の数字より意思決定の履歴が判断材料になる。

  • 〜2022年度(令和4年度)
    紙の「太田市金券」を運用
    キャッシュレス決済の促進と感染症対策が、デジタル化を検討するきっかけになった。
  • 2023年度
    デジタル金券OTACOへ全面移行
    コロナ・物価高騰対応の国の交付金を使い、20%上乗せキャンペーンを大規模に実施(販売19.6億円)。会員55,645人でスタート。
  • 2024年度
    キャンペーンを縮小して継続
    キャンペーン販売4.5億円。会員67,381人、加盟店924店。
  • 2025年度
    全市民に5,000円の定額カードを配布
    市内経済活性化事業として11.5億円。相談窓口を6会場で開設、専門学校生のPR動画、学園祭出店など裾野を広げる活動も。会員98,650人。
  • 2026年度
    「日常使い」への転換を掲げる
    予算18.7億円(前年比 約56%)。キャンペーン依存から、行政ポイントや通常チャージによる日常利用へ軸足を移す方針。
案 15Q&A形式

市民の質問に答える形式

見せ方メモ: 読者の疑問から逆算する案。シートの構成(コスト→財源→成果)ではなく、聞かれる順に並べ替える。折りたたみにすれば一覧性を損なわない。

OTACOって何ですか?
太田市内の加盟店954店だけで使えるデジタル金券です。スマホアプリまたはカードで支払います。チャージは窓口・クレジットカード・セブン銀行ATMから。2023年度に紙の太田市金券から切り替わりました。
何のためにやっているのですか?
シートに書かれた目的は3つ。キャッシュレス決済の促進、加盟店を市内に限定することによる市内経済の活性化、行政ポイントなど市の様々な事業への活用とコスト削減です。長寿祝金や給食費助成の支給にも既に使われています。
税金はいくら使われているのですか?
事業規模は年33.5億円(2025年度)ですが、大半は市民自身のチャージ購入と国の交付金です。特定財源を除いた市の純支出は年約4,356万円(2025年度)。市民一人あたり年約196円に相当します。
20%上乗せキャンペーンとは?
チャージすると2割増しの残高がもらえるキャンペーンです(例: 10,000円で12,000円分)。2025年度は11.7億円分を販売。原資は主に国の物価高騰対応交付金ですが、市自身も「実施には莫大な予算が必要」を課題に挙げています。
使わないとどうなりますか?
OTACOには有効期限があります。原則、発行した年度の翌年度2月末で失効します。2025年度の発行額32.9億円のうち、利用済みは28.8億円(87%)です。
これからどうなりますか?
2026年度予算は18.7億円と前年の約56%に縮小。市は「キャンペーン以外での日常使いを増やし、市内経済の活性化に寄与したい」としています。2026年8月の「おおた未来デザイン会議」(事業仕分け)の対象事業にもなっています。
案 16自己評価の転載

市自身の評価をそのまま見せる

見せ方メモ: 行政の自己評価(課題)を編集せず見せると、ページ全体の信頼性が上がる。良い数字だけ並べたページは市民に「広報」と読まれる。

シートに書かれた課題(原文のまま)

課題デジタルが苦手な方への対応
課題キャンペーンの実施には莫大な予算が必要
課題チェーン店や大型店などの利用が多い
課題会員数、加盟店数の拡大
「今後は行政ポイントや通常チャージなど、キャンペーン以外でのOTACOの日常使いを増やしていき、市内経済の活性化に寄与したいと考える。」
事業シート「今後の方向性」より
案 17横並び比較(補足)

近隣ではどうか

見せ方メモ: 「太田だけがやっているのか?」への補足。シートの比較参考値をチップで示すだけに留め、深掘りしない(他自治体の規模データはシートにないため、並べて比較すると誤解を生む)。

前橋市めぶくPay 高崎市高崎通貨 桐生市桐Pay 伊勢崎市ISECA 館林市ぽんちゃんPay みどり市みどモスPay 沼田市tengoo 渋川市渋pay 邑楽町コハクペイ みなかみ町MINAKAMI HEART Pay 片品村おぜだっぺい 佐野市さのまるペイ 深谷市ネギー 熊谷市クマPAY 寄居町Yori-Ca

事業シート「比較参考値(他自治体での類似事業の例など)」より。群馬県内と近接する埼玉・栃木の自治体。

案 18データ表

元の表に近い形

見せ方メモ: 数字を検証したい読者のための逃がし先。グラフの各数値の出どころを1か所に集約しておくと、上のどの表現案と組み合わせても「盛っていないか」を確認できる。

指標単位2023年度2024年度2025年度2026年度
お金
総事業費千円1,715,1472,522,7003,374,3661,882,746 予算
うち人件費千円20,00020,00028,70013,750 予算
市の純支出(特定財源を除く)円10,180,08810,970,31043,556,322—
発行と利用
総発行額千円3,090,0621,340,2233,292,784—
総利用額千円3,065,4191,330,3802,877,693—
キャンペーン販売額 (目標)千円1,963,204 (2,000,000)445,791 (500,000)1,171,446 (1,200,000)—
行政ポイント発行額千円539,610529,250428,879—
通常チャージ販売額千円87,969169,932239,947—
定額カード販売額千円82,481107,458104,805—
広がり
会員数人55,64567,38198,650—
加盟店数 (うちカード利用可)店940 (457)924 (453)954 (561)—
担当職員数人2.52.53.72.0 予算

2023・2024年度は決算、2025年度は決算見込。発行額には前年度からの繰越分の利用等が含まれるため、単年度の財源合計とは一致しない(シート特記事項)。